2021-12-21
関東地方在住の2歳の女子患者様は、下にお子さんが生まれたのを契機に円形脱毛症を発症しました。家族歴はありませんでした。近所の皮膚科、そして私立大学医学部附属病院の皮膚科を受診しましたが、治療はステロイドの塗り薬だけでした。大学病院でも近所のお医者さんも同じ治療とは驚きですね。皮膚科治療の手詰まりが見えてきます。困り果てて、当クリニックを受診されました。カプセルが飲めないので、タキシフォリン、αGPC、およびセファランチン大量で、IGF-1を増やすを開始すると、それまであった傷んだ黒い毛が大量に抜けて、大量の断毛(切れ毛)が出てきました(治療3ヵ月後、青い円内)。次に、断毛が減って、白い産毛が増えてきました(治療4ヵ月後、赤い円内が白い産毛)。そして、治療5ヵ月後には、黒い産毛が生えてきました(写真、赤い円内)。IGF-1が増えて、傷んだ毛の休止期が短縮するので、毛が抜けて、一方では、毛の幹細胞が活性化され、まず、自己免疫の攻撃を受けない、つまり、攻撃の標的であるメラニン色素がない毛根で、毛が再生されるので、白い産毛が生えてきました。さらにIGF-1が増えると、さらに自己免疫が抑制されるので、メラニン色素のある毛根も攻撃されなくなり、黒い産毛が生えてくるのです。重症の汎発性脱毛の患者さんでも、改善する場合は、同じ経過をたどります。いま、白い産毛しか生えていなくても、IGF-1が増えるにつれて、黒い産毛が生えてきます。そして、黒い産毛が生えてくる頃には、メラニン色素を作る細胞が免疫系で傷害されなくなっているので、それまで白かった毛も、黒くなって、最後は、全部黒い毛になって治癒していきます。大学病院の皮膚科でも、近所のお医者さんと同じステロイド塗り薬のみでの治療、ギブアップの証の様です。