2021-05-26
バナー広告などに見られる”育毛剤”には、その頭に、”薬用”、または、”医薬部外品”と書かれています。そして、それらの効能は、判で押したように、皆同じで、育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛と記されています。しかし、このような効能は、実際には証明されていません。この理由は、薬機法という法律で、効能があるとされる成分さへ配合していれば、その“液体”は、育毛効果など証明されていなくても、これらの効能を表示できると決められており、”育毛剤”に化けることができるのです。さらに、驚くことに、これらの液体の中には、脱毛成分であるジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン剤)が配合されているものがあるのです。当然、そのような液体を頭皮に塗布すれば脱毛します。女性型脱毛症で、IGF-1を増やす治療を受けていた40代女性は、治療途中に、急に、毛が細くなりました(写真)。話を聞くと、”富貴神”という市販の”育毛剤”を、1ヵ月間使ったとのことでした。これには、ジフェンヒドラミンが配合されています。本人も、髪の毛が、急にパサパサしてきたと言われました。この他にも、ジフェンヒドラミン入りの”液体”である、イクオスを使って、円形脱毛症が悪化した30代の女性や男性型脱毛症が悪化した20代男性、そして、同様の液体であるチャップアップを10ヵ月間使って円形脱毛症を発症した20代男性や男性型脱毛症が悪化した40代男性などが経験されています。これらの液体は、育毛剤ではなく、正確には”脱毛剤”と名乗るべきでしょう。今でも、多くの人たちが、これらの液体を頭皮に塗っていると考えると、鳥肌が立ちます。カルプロ二ウム塩化物を配合した、医薬品表示のある育毛剤”カロヤン”にも、ジフェンヒドラミンが配合されています。確かに、カルプロ二ウム塩化物は、弱いながらも、IGF-1を増やす作用があるので、このものには育毛効果が証明され、医薬品となっていますが、商品としてのカロヤンでは、まだ、当クリニックでの脱毛症例の経験はないものの、脱毛する可能性があり、医薬品表示の育毛剤でも、安心して使用できません。円形脱毛症の方は、特に気を付けましょう。