2020-08-26
10代の女性患者様は、当クリニックに来院される3年前から、頭頂部に薄毛部分がありました。赤十字病院の皮膚科を受診するも、原因がわからず、治療もされなかったので、放置していました。しかし、やはり、薄毛が気になり、当クリニックを受診されました。
確かに、円形脱毛症のような、境界がはっきりした脱毛斑はなく、びまん性に毛が薄い状態でした(写真、治療前)。しかし、よく観察すると、切れ毛のような毛もあり、カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン80mg・日で、IGF-1 を増やす治療を開始しました。その後、薄毛は改善していきましたが(治療1年5ヵ月後)、風邪で、脱毛薬モンテルカストを服用して、明らかに円形脱毛症とわかる脱毛斑が現れました(写真)。やはり、円形脱毛症であることが、判明し、そこから、また治療を開始して、治療3年2ヵ月後には、完治しました(写真)。ところが、その後、骨折して、これまで、脱毛が見られなかった痛み止めであるセレコックスを服用して、約1週間後に、また、円形脱毛症が再発しました。ロキソニンなどとは異なり、セレコックスは、IGF-1 を増やす物質(プロスタグランジン)を作る酵素(COX-1)の働きを、強くは阻害しないので、これまで、脱毛を起こすことは、考えられませんでした。しかし、脱毛を起こしたので、セレコックスは、COX-1を弱く阻害して、IGF-1 を減らしてしまうと考えられます。お配りした、脱毛薬リストに、セレコックスを追加しておいて下さい。