2023-06-06
関西地方在住の30代の男性患者さんは、中学生時代に円形脱毛症を発症しました。皮膚科治療が無効で、その後、良くなったり悪くなったりを繰り返していましたが、ビラノアやエピナスチン点眼液などの脱毛する薬剤の使用と仕事のストレスで急激に悪化して、全身の毛が抜ける、汎発性脱毛の状態になりました(図、写真)。順天堂大学病院で、かぶれ治療を受けましたが、全く効果がありませんでした(図)。困り果てて、当クリニックを受診されて、カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン大量で、IGF-1を増やす治療を受けられました。その結果、多少の飲み忘れはあったものの、治療11ヵ月後に後頭部に産毛が生えてきました(写真、赤い円内)。まだまだ、一般のお医者さんは、ビラノアなどの抗ヒスタミン剤で脱毛する事実を知らないようですが、ビラノアを販売する大鵬薬品のMRの方から、他の医療機関からも、ビラノアによる脱毛症例が報告されてきているとの情報を得ました。やっと、知覚神経の働きを落として、かゆみをとる抗ヒスタミン剤の危険性が認識されつつありますが、この事実は、逆に、知覚神経を刺激すれば、毛が生えるというIGF-1理論が正しいことの間接的照明にもなります。このMRさん、抗ヒスタミン剤の使用を勧める皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインが”取り消し”にならないのですかね、と聞かれました。この診療ガイドライン、早く、取り下げてほしいものですね。