2023-03-27
40代の女性患者さんは、幼少時に円形脱毛症を発症し、その後の皮膚科治療が無効で、約30年もの間、ウイッグ生活を余儀なくされました。当クリニックに来院したときは、重症の蛇行性脱毛の状態でした。IGF-1を増やす治療を開始して、後頭部の脱毛症は改善しましたが、前頭部の両側前方では、断毛が取れず、なかなか産毛が生えてきませんでした。しかし、カプサイシンを8錠/日飲まれて、1ヵ月で、この難治な部分に産毛が生えてきました(写真、赤い円内)。この患者さんもそうですが、小児期から、長い期間円形脱毛症を患っている方たちは、小児期に気管支喘息であることが多いのです。アレルギーが自己免疫の原因にはなりませんが、気管支喘息で使用する脱毛薬である抗ヒスタミン剤やモンテルカストという薬が、円形脱毛症を引き起こします。特に、モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレスなど)は、円形脱毛症の素因を有する患者さんでは、重症の円形脱毛症を引き起こします。同類の抗アレルギー剤であるプランルカスト(商品名:オノンなど)は、何故か脱毛させません。しかし、小児科のお医者さんは、モンテルカストが1日1回の服用で済むことから(プランルカストは、1日2回服用)、こちらを好んで投与します。モンテルカストは、昔からいろいろな副作用があり、中でも嫌なのは、悪夢を見ることです。IGF-1は、眠りを深くするので、当クリニックで円形脱毛症の治療を受けられている患者さんでは、不眠症が改善します。しかし、悪夢は、眠りが浅くなって起こるので、モンテルカストは、IGF-1を減らすことになります。理論的にも、ロイコトリエンというアレルギーの症状を引き起こす物質は、知覚神経を刺激してIGF-1を増やしますが、モンテルカストは、ロイコトリエンの作用をおさえるので、IGF-1を減らします。プランルカストも、ロイコトリエンの作用を抑えるのですが、IGF-1は低下させません。この理由は不明です。今でも、アレルギー性鼻炎などがあると、お子さんには、モンテルカストが処方されます。多くの悪薬がある中で、モンテルカストは極悪薬です。飲んではいけません!