2023-01-28
愛知県の近隣県にお住まいの汎発性脱毛の20代の女性患者さんのお母様から、治療についてのお問い合わせを頂きました。その中で、皮膚科でオルミエントという薬を勧められたということです。以前にも、数名の患者さんから同じような”オルミエントはどうよ”というお問い合わせを貰っています。結論は、使用は絶対ダメです。この薬で毛が生えることがあるのは事実です。しかし、この薬の添付文書に書いているように、この薬は治療薬ではないのです(図)。薬の投与を止めれば、すぐに毛が抜けるからです。さらに怖いことは、この薬の副作用です。この薬は、炎症(免疫力も)を抑えます。円形脱毛症の原因である自己免疫も抑えますが、正常の免疫も抑えます。したがって、添付文書にあるような怖い副作用が出るのです(図)。実際の副作用は、ALTなどの肝酵素の血中濃度が、3倍以上(つまり、3ケタ以上)に上がる肝障害が、服用者の25人に1人、そして白血球や血小板の減少が5~7人に1人、そして、悪性腫瘍が500人に1人見られています。円形脱毛症は、確かに外見上の損失は大きいのですが、生命予後には影響の少ない(他の自己免疫疾患合併例を除く)病気です。円形脱毛症の患者さんが、治療薬にならない物質の副作用で、生命の危険にさらされるなどはあり得ない話です。オルミエントは、薬などと呼ばれるものではなく、ただの毒です。そして、この薬を飲む患者さんは、ロシアンルーレットにチャレンジしていることになります。勧められたら、よく考えずに断りましょう。そして、皮膚科医に聞いて下さい、”あんたが飲めるか?”と。もし、当クリニックの院長が、IGF-1を増やすサプリメントや薬を”あんたが飲めるか”と患者さんから聞かれたら、こう答えます。”もう、飲んでいます”。