2022-09-12
関西地方在住の20代の女性患者さんは、7歳で円形脱毛症を発症しました。皮膚科治療では効果がなく、自然に改善しましたが、完全には治らない状態が続いていました。そして、脱毛する抗ヒスタミン剤のひとつであるアレグラを飲んで、すべての髪の毛を失いました(図)。アレグラの成分はフェキソフェナジンで、これは皮膚科の円形脱毛症診療ガイドラインでは、治療に使うように勧められています。困ったものです。皮膚科の治療で治らないので、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を受けられ、2年後には、8割方毛が生えて改善しました。しかし、ここで原因不明の再発が起きました。もともと重症の全頭脱毛や汎発性脱毛の患者さんでは、治療途中で再発することはたまにあります。サプリメントの飲み忘れがなくても、どうしても自律神経のリズムが悪くなると、IGF-1が増えにくくなり、再発します。この患者さんは、この治療でかなり改善されているので、続けて治療を受けられました。そして、治療途中で、αGPCを併用すると、明らかに改善が早くなりました(写真)。αGPCは、知覚神経刺激を全身に伝えるアセチルコリンという物質の材料になるので、知覚神経刺激作用を持つサプリメントやセファランチンと併用すると、効果が高くなるのです。一度再発しても、知覚神経刺激治療を長く受けていると、自律神経が安定になってきて、再発しにくくなります。IGF-1を増やす治療を長く受けて完治すると、その後には再発がほとんどなくなる(脱毛薬を飲まない限り)のは、このためです。