2021-12-24
60代の女性患者様は、脱毛する薬の使用もなく、ただ多忙であったことで円形脱毛症を発症しました。後頭部と左側頭部に脱毛斑がありました(写真、治療前)。皮膚科へは寄り道せずに、当クリニックに来院されました。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(保険診療の使用量よりも大量なだけで、けっして、医学的に大量ではありません)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、すぐに産毛が増えてきて、治療4ヵ月で、ほぼ生え揃いました(写真)。しかし、この時点では、まだ、完治ではありません。まず、セファランチンを減量していき、再発がなければ、カプサイシンなどのサプリメントを半量にして、さらに再発がなければ完治とします。この患者様は、治療11ヵ月で完治となりました(写真)。写真でわかるように、治癒の時と、完治の時の髪の毛の状態が、明らかに違い、完治時は、髪の毛全体が、明らかに艶や腰が良くなっています。もし、生え揃っただけの治癒状態で、治療を急に中止すると、状態が、まだ、完全ではないので、再発する可能性があります。補佐薬のセファランチンのみをまず減らして、治療の主役のカプサイシンとイソフラボンは継続して、再発がないことを確認して、これらサプリメントを減らすことが、安全で効果的な治療の終了方法です。患者さんの中には、生え揃ったら、すぐに治療はもういいのではないかと考え、また、自己判断で、セファランチンではなく、治療の主役である、カプサイシンを減量したりして、再発する場合があります。治療の主役は、カプサイシンとイソフラボンです。せっかく長い期間かけて治した努力が水泡に帰します。後悔先に立たず、自己判断での治療変更は禁物です。