2021-11-02
北海道在住の20代の全頭脱毛の男性患者様は、IGF-1を増やす治療で、難治部分を残して改善していました。のどが痛いので、耳鼻科を受診したところ薬を処方されました。お母様が心配して、飲んでも脱毛しないかどうかを確かめられました。処方を見ると、漢方薬2種類と、なんと胃酸分泌を強力に抑制し、ひどい脱毛を起こすネキシウムという薬が処方されていました。漢方薬は、食欲改善と喉頭の違和感を改善すると言われている薬で脱毛はしませんが、なんでネキシウムがでてくる?胃酸がのどまで上がってきている?最近は、内視鏡もせずに、逆流性食道炎の診断名で、この劇薬を処方する耳鼻科医が増えています。胃酸分泌を強力に抑えると何が起こるか、耳鼻科医にわかりますか?ぼんやりと胃酸が上がってきて、のどを荒らすから、止めればよいくらいの発想でしょう(上がってきているかどうかもわからないのに)。関東地方在住の40代の男性患者さんは、抗ヒスタミン剤に加えて、やはり耳鼻科でネキシウムを処方されて全頭脱毛になりました(写真、治療前)。IGF-1を増やす治療で改善しましたが(写真)、改善まで長期間かかる、重症の全頭脱毛でした。胃潰瘍では、胃酸は、その増悪物質ですが、原因物質ではなく、ピロリ菌などによる胃の炎症が根本的な原因なのです。したがって、炎症を抑える薬か、ピロリ菌の除菌をしなければ、胃潰瘍は根治しません。胃酸が仮にのどまで上がってきても、もともと炎症がなければ、それで炎症は起こりません。また、胃酸は食べたものの消化に重要であるばかりでなく、胃の知覚神経を刺激して、全身のIGF-1を増やす働きを持っています。IGF-1には、育毛効果や自己免疫是正作用に加えて、正常の免疫力を上げる作用もあります。昨年、ネキシウムなどの薬を長期に服用していると免疫力が落ちて、新型コロナウイルス感染症が悪化することも報告されています。耳鼻科の先生、これらのことを知っての上での、この劇薬の投与でしょうか?全身の病態生理の知識がなければ、守備範囲は、のどまでにしておいて下さい。勿論、ネキシウムは捨てるように患者さんのお母様にはお伝えしました。耳鼻科の処方、要注意です。