2021-08-16
関西地方在住の40代の女性患者様は、胃酸分泌抑制剤であるタケキャブを、ピロリ菌除菌のために服用して円形脱毛症を発症しました。皮膚科は、どこも、診療拒否でした。その後、ムヒを塗って大量に脱毛し、困り果てて、関西地方では、円形脱毛症を治せる医療機関が見つけられなかったので、当クリニックに来院されました。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始すると、それまでの脱毛薬で傷んだ毛が、大量に生え変わり、蛇行性脱毛の状態からの治療になりました。しかし、産毛も生えてきて、治療6ヵ月後、治療1年1ヵ月後と改善してきました(写真)。改善途中の治療6ヵ月後くらいまでは、鏡を見ることが苦痛だったそうですが、治療1年1ヵ月後には、それが楽しみになったと言われました。血圧も、治療前は、収縮期圧が150以上あったのが、最近では、115まで下がったそうです。これも、IGF-1の作用です。タケキャブによる脱毛であることをお話すると驚かれて、投与された病院を恨んでいました。文句を言っていただければ、内科医も気付いたでしょう。しかし、世界中のお医者さんは、この胃酸分泌抑制剤(PPIと呼ばれます)で脱毛することを知りません。他にも、PPIで、骨粗鬆症や認知機能障害など、IGF-1が低下するために起こる副作用が知られており、昨年には、PPIで、IGF-1低下による免疫力低下(新型コロナ感染悪化)も報告されています。先日も、ネキシウムというPPIを10年間投与されて、下咽頭がんの発症との因果関係を否定できない患者さんが来院されました。とにかく、怖い薬です。胃からの出血を緊急で止める際には必要ですが、今は、PPIに詳しくない耳鼻科医でも処方することもあり、これは、やめてもらいたいものです。脱毛にとどまらず、がんを引き起こしては、取返しが付きません。常用している方は、すぐに服用を中止しましょう。