2020-12-25
20代の男性患者様は、伯母様に甲状腺疾患(おそらく、橋本病)の既往があり、当クリニックに来院される1年4ヵ月前に、円形脱毛症が悪化しました。初発は、12年前で、皮膚科受診しても、治らず、良くなったり悪くなったりを繰り返していたのですが、脱毛成分であるクロルフェニラミン入りの点鼻薬ナザールを使用して悪化し、再度、皮膚科治療を受けていました。しかし、改善せず、その間、酔い止めの薬であるトラベルミン(脱毛成分ジフェンヒドラミン入り)を服用して、さらに悪化し、とうとう全身の毛が抜ける汎発性脱毛まで進行してしまいました。当クリニックに来院され、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療2ヵ月目に、治療前からあった、毛の残骸である屍毛が減ってきましたが、同時に、頭部にあった白斑の内部とその周囲に、色素沈着が戻ってきました(写真)。尋常性白斑と思われる白斑ですが、これも、円形脱毛症と同じく自己免疫疾患です。円形脱毛症には、他の自己免疫疾患が合併することも多く、甲状腺疾患(橋本病)(8%に合併)、そして4%の患者さんに、尋常性白斑が合併することが報告されています。皮膚の色素であるメラニンを作る細胞が、自己免疫により傷害され、起こってくると考えられています。IGF-1には、自己免疫を引き起こすTリンパ球を抑制する、制御性Tリンパ球を活性化する作用があり、その作用で、円形脱毛症が改善するのですが、同時に、合併する他の自己免疫疾患も改善させることになります。この事実から、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンによるIGF-1を増やす治療は、現代医学が、ステロイド投与で、お茶を濁しているような治療をしている、難治性疾患である、円形脱毛症以外の自己免疫疾患にも有効であると考えられます。