2025-12-06
50代の女性患者さんは、眼科での治療が効かない結膜炎と口の渇きによる構音障害(言葉がはっきりしなくなるという症状)を訴え(乾燥症候群)、日常生活に支障をきたしていました。膠原病治療の専門医を受診すると、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群と診断されました。どうせ治らないので、詳しい検査は不要とまで言われたそうです(その通り、臨床診断だけで十分!)。その後に抜け毛が増えて、髪の毛が減ってしまいました。勿論、皮膚科治療で改善せず、ウイッグまで、準備されました。困り果てて、当クリニックを受診され、カプサイシンとイソフラボンのサプリメントとセファランチンによるIGF-1を増やす治療を受けられて、抜け毛も減って、治療4ヵ月後には、ウイッグを使用することもなくなり、喜ばれていました(写真)。そして、脱毛症が改善した治療3ヵ月後目くらいから、前述の乾燥症候群も改善しはじめ、日常生活に支障をきたすこともなくなりました(図)。シェーグレン症候群に対する治療は、受けていないので(治療法もない)、IGF-1を増やす治療で、脱毛とシェーグレン症候群の両方が改善したと考えられます。この患者さんの症状から考えると、涙や唾液は非常に重要な役割をもっています。涙には、IgAという免疫抗体が含まれており、涙が減少することで、異物の除去が困難になると共に、感染しやすくなって、結膜炎を起こしたと考えられます。また、当クリニック院長の研究から、唾液に含まれる上皮成長因子とシアル酸は、IGF-1を増やす作用があることが判明しており、唾液を飲み込むことが、体のIGF-1を増やすことになります。さらに、唾液の中には、IGF-1そのものも含まれており、唾液を飲み込むと、IGF-1も知覚神経を刺激して、体のIGF-1をさらに増やします。すなわち、唾液の分泌が悪くなると、IGF-1が減少し、脱毛、認知機能低下、骨粗しょう症、そして、肥満などが起こってくると考えられます。また、IGF-1は、免疫力を高めるので、唾液不足は、感染症やがんの発生にもかかわってくる可能性もあります。この患者さんの場合、脱毛は、シェーグレン症候群の改善による、唾液分泌の増加で改善した可能性も考えられます。現代医学では治らない自己免疫疾患を治すIGF-1を増やす治療、難病で困っている患者さんは、是非、受けて見て下さい。