2025-11-08
皮脂が毛穴の汚れと言われたのは、はるか昔のこと。毛穴掃除で、毛が生えると、まことしやかなウソをついて、シャンプーを売っていた人たちがいたころの話です。皮脂は、汚れなどではなく、皮膚の殺菌、保湿、そして保温に重要な物質です。皮脂は、毛穴から皮膚へ分泌されますが、寒くなって鳥肌が立つと、毛穴から絞り出されるように、皮膚に出てきます。これが、皮膚から、比熱の高い(温まりにくく、冷えにくい)水、すなわち汗の蒸発を抑えて、寒い季節の皮膚の保温に重要なのです(図)。体が温かいと、IGF-1が増えやすく、免疫力が保たれます。さらに、皮脂には、知覚神経を刺激する作用があり、シャンプーをしている人が、急にやめると、頭皮の皮脂の知覚神経刺激で、頭がかゆくなるのはこのためです。そのかゆみが、育毛効果を発揮します。このような重要な皮脂を、わざわざ、界面活性剤入りのシャンプーやボディーソープで、完璧に除去する人が多いのには、驚きです。ペットも、石鹸で洗いすぎると病気をするという話、また、シャンプーを、おそらくは使わないホームレスには、禿げが少ないのは、共に、皮脂の健康維持と育毛における重要性を示しています。脱毛症の人は、お湯シャン、そしてお湯シャワーで、育毛を促進しましょう。