2025-07-08
60代の女性患者さんは、脱毛する痒み止めであるフェキソフェナジンで、円形脱毛症を発症しました(写真)。ご自身もこの薬を飲み始めて、抜け毛がふえたので、自発的に服薬を中止されたそうです。皮膚科治療で治らず、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療で、傷んだ毛の生え変わりを経て、順調に改善し、治癒状態になりました(写真)。もう大丈夫と一人合点し、飲み忘れが増えて、新たな脱毛斑ができました。再発すると、改善までに、時間がかかります。規定量服薬を守られて、カプサイシンも増量し、3年後に完治しました(写真)。ウイッグなしで温泉に行けることを喜ばれていました。円形脱毛症を発症する原因となったフェキソフェナジンという薬、驚いたことに、日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインには、この薬で円形脱毛症が改善したという論文を掲載し、それを基に、この薬を円形脱毛症治療に使おうということになっています。治さないオルミエントもリットフーロも含めて、皮膚科の治療、どうなってる?