2025-06-07
30代の女性患者さんは、自己免疫疾患の家系で、生理痛に対して、脱毛するイブを飲んで、円形脱毛症を発症しました。そして、円形脱毛症はストレスからと思い込んで、心療内科を受診し、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を長期間飲んで、全身の毛が抜ける汎発性脱毛にまで悪化しました。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、抗コリン作用があり、IGF-1を減らします。困り果てて、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療21日後には、もう産毛が生えてきました(写真、赤い円内)。そして、それよりも驚いたのは、小学校高学年で起こった難聴が改善してきたことでした。初診時は、会話の途中で、何度も聞き返すことが多かったのですが、治療21日後では、それもなくなり、自宅では、テレビの音が、こんなにも大きかったかと思うようになったそうです(図)。突発性難聴は、原因不明とされていますが、自己免疫疾患に合併することも多く、また、京都大学の耳鼻科から、IGF-1を内耳に注入することで、突発性難聴が改善したという報告もあり、この患者さんの場合、IGF-1を増やす治療で、自己免疫が抑制され改善したと考えられます。ご本人も驚いていました。自己免疫疾患は、現代医学では、不治の病気です。IGF-1を増やす治療は、重症円形脱毛症も含めて、難病を改善する治療と言えます。