2025-05-20
40代の女性患者さんは、カルシウム拮抗剤という、日本では良く使用される降圧剤で円形脱毛症を発症しました。この薬、商品名はニトレンジピンと言い、カルシウムの血管への流入を抑え、血管を拡張させて、血圧を下げますが、知覚神経のカルシウムの流入も抑えるので、知覚神経の働きまで落として、IGF-1を減らしてしまいます。皮膚科では、全く治らず、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を開始して、改善してきました。2年以上も熱心に治療され、治癒状態となり、セファランチンとサプリメントを減量しても、再発せず、完治と判断されました(写真)。円形脱毛症を起こしたときは、とても不安そうでしたが、明るい性格になりました。治療中は、風邪もひかなくなり、正常の免疫力も高まりました。治りたいという強い気持ちと、年単位の期間の辛抱が、好結果を生みだしました。治療を続けられて良かったと思われます。