2023-04-01
50代の男性型脱毛症の患者さんは、順調に頭頂部と前頭部の薄毛が改善していました。ある診察時に、前頭部の地肌が目立ち、毛の色が茶色くなっていたので、脱毛する薬を使用したかどうかを聞くと、何も使用していないとのことでした。睡眠不足がなかったかどうかを尋ねると、実は、前夜が徹夜勤務で、ほとんど寝ていないとのことでした。原因は、徹夜でした。血圧も上がり、疲れ切った様子でした。睡眠不足は交感神経緊張を招き、ストレスが加わったのと同じ状態になります。これまでの患者さんでは、慢性的な1時間などの睡眠時間の短縮や、暑くて眠りが浅くなっての脱毛が多かったのですが、徹夜1回で、このようにはっきりした脱毛が見られるのは初めてです。脱毛する薬の多くは、抗コリン作用という作用をもっています。コリンとは、自律神経の活性のバランスを維持するのに必要な神経伝達物質のアセチルコリンのことで、抗コリン作用を持つ薬剤を服用すると、交感神経緊張状態となり、睡眠不足と同じ状態になり、IGF-1が減ってしまい、脱毛します。脱毛症治療中の患者さんでは、徹夜をすることは無いと思いますが、睡眠は、自律神経を安定化させ、IGF-1を増やす上で、とても重要です。皮膚科の円形脱毛症治療にも抗コリン作用をもった抗ヒスタミン剤が使われることが多いので、皮膚科にいくことも自律神経のバランスを悪くすることになります。避けましょう、睡眠不足、脱毛薬、皮膚科受診!