2022-04-02
愛知県外在住の10代女性患者様は、モーラステープを貼って円形脱毛症を発症しました。2軒の皮膚科で無駄な時間を費やしてから、当クリニックに来院されました。多発型円形脱毛症の状態でしたが、カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、心配されていたカプサイシン服用に伴う胃の刺激症状も軽く、おなかが熱くなる程度ですんで、規定量のカプサイシンが飲めました。治療21日後には、治療前からあった黒い産毛が増え、右側頭部では、白い産毛が新たに生えてきました(写真)。多少の、毛の生え変わりはありましたが、順調に改善してきました。カプサイシンが規定量飲めることが、重症円形脱毛症改善の必要十分条件です。一方で、カプサイシンやニンニク(アリシンという物質が、やはり知覚神経を刺激する)が苦手で、胃の痛みよりも、大腸の運動の亢進が起きて、下痢をしやすい男性の患者さんがいます。やはり、多発型円形脱毛症で、カプサイシンが1日3錠しか飲めないのですが、ほぼ改善して、セファランチンを減量すると、必ず再発します。この患者さんは、バーベキューで使われる焼肉のたれのニンニクでも下痢するので、バーベキューに呼ばれることを恐れているほどです。敏感なので、ほぼ治癒状態まではいくのですが、カプサイシンとイソフラボンの作用を支えるセファランチンを減量すると、すぐに再発します。やはり、高い治療効果を出すための基本は、間違いなく、カプサイシンを規定量飲むことなのです。