2022-02-26
60代の女性患者様は、20代から円形脱毛症を起こしたり、良くなったりを繰り返していました。妹さんにも円形脱毛症の既往がありました。再発したのは、自律神経が最も乱れやすい6月、そして、その年の春には、花粉症のために、脱毛する抗ヒスタミン剤を飲んだり、脱毛するかゆみ止め入りの目薬やアイボンを使っていました。皮膚科に通っても、一向に良くならないので、当クリニックに来院されました。両側頭部に大きな脱毛斑がある多発型円形脱毛症の状態でした(写真、治療前)。髪の毛が全部抜けるのではないかと不安で、夜も眠れなかったそうです。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン大量(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、傷んだ毛の生え変わりを経て改善してきました。治療途中、睡眠不足などで、小さな再発はあったものの、生え揃ってから(治癒)、セファランチン、サプリメントの順で減量し、悪化せずに完治となりました(写真、治療2年5ヵ月後)。そして、この時に、”今、人生のうちで一番抜け毛が少ないです!”と驚かれたように言われました。IGF-1を増やす治療で円形脱毛症が完治すると、治療により、自律神経が安定してくるので、その後、脱毛薬を使用しない限りは再発しなくなります。中途半端で治療を中断すると、必ず再発します。しかし、60年余の人生の中で、物心ついてから、抜け毛が一番少ないと自覚されるのは、治療による自律神経の安定効果が十分だったからでしょう。もう円形脱毛症を起こすのは絶対いやだから、サプリメントだけは、今後も飲みますと言われていました。