2022-02-07
50代の男性患者様は、お母様に円形脱毛症の既往がありました。歯科で処方された痛み止めと名前不明の目薬を使用して、円形脱毛症を再発しました。皮膚科に通院しましたが、治りそうにないので、当クリニックを受診されました。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療1年後には、左側頭部と後頭部の円形脱毛症は改善しました(写真)。ところが、年末年始の休暇に入って、日ごろから寝つきに30分を要していたのが、生活リズムの変化から、寝付くまでに2時間かかるようになりました。その1週間後に来院されましたが、円形脱毛症の悪化が見られました(写真、青い円内)。寝付くまでの2時間は、苦痛だったそうです。しかし、仕事が始まり、また、睡眠障害も改善してきて1ヵ月後には、再び改善してきました(写真、赤い円内)。短期で改善したのは、脱毛斑の部分の毛が細くなっただけで済んで、それが再び太くなって改善したからでしょう。まだまだ、改善中の段階では、このような睡眠時間の短縮で悪化しやすくなります。睡眠のリズムを乱さないために、自律神経を安定させる必要がありますが、休日の生活リズムの大きな変化は、自律神経のリズムの安定化から考えると、好ましくありません。基本的に、起床や食事の時刻、就寝時刻は、休日でもあまり変えないようにしましょう。寝坊や二度寝は避けましょう。特に、長期休暇の場合は、このように影響が出やすくなります。