2022-02-05
30代女性患者様は、お母様に円形脱毛症の既往があり、20年間、円形脱毛症が良くなったり、悪くなったりを繰り返していました。皮膚科に7年間通院するも、全く効果なしでしたが、その間、片頭痛と生理痛で、ロキソプロフェン(くにひろ)というロキソニンの後発品を服用して、円形脱毛症が悪化し、蛇行性脱毛になりました。これはたまらないと、当クリニックを受診されました。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、それまでの皮膚科治療とロキソニン後発品で傷んだ大量の毛が、新しい毛に生え変わるために抜けて、汎発性脱毛からの治療となりました。熱心に梅花鍼を毎日やり、飲み忘れもなく治療されていました。治療2週間で、おでこの上あたりに、白い産毛が生えてきましたが、治療6ヵ月後では、片頭痛もなくなり、昔からあった手の荒れ(アトピー性皮膚炎)もなくなりましたが、まだ、黒い産毛は生えてきませんでした。そして、ウルソを併用して1ヵ月後に外来受診され、”黒い毛が生えてきました”と言われました。見ると、肉眼でもわかるほどの黒い産毛が数本、右耳の前上方に生えていました(写真、赤い円内、治療7ヵ月後)。その他にも、ちょうど反対側の同じ場所、そして前頭部の数ヵ所に黒い産毛が生え始めていました。勿論、おでこの上の白い産毛も増えていました(写真)。この患者様以外にも、ウルソ併用で、汎発性脱毛の患者さんで産毛が増えています。やはり、ウルソは自己免疫性肝炎を抑制することが知られているので、同じ自己免疫疾患である円形脱毛症も改善します。しかも、安価な薬であるのも、大きなメリットです。