2022-02-01
東京都在住の20代の女性患者様は、円形脱毛症の家族歴はなかったものの、自身が自己抗体である抗核抗体陽性で、大学入学時の環境変化で円形脱毛症を発症しました。単発性の円形脱毛症でしたが、皮膚科受診で、脱毛するフェキソフェナジンを処方され、また、自身でも、脱毛するバファリンを飲んで、蛇行性脱毛にまで悪化しました。東京都内では、円形脱毛症を治療できる医療機関を見つけられなかったので、当クリニックを受診されました。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、脱毛薬で傷んだ毛が大量に生え変わり、結局、全身の毛が抜ける汎発性脱毛からの治療となりました。治療を続けると、頭皮の毛穴が徐々に黒く目立って来て、白い産毛が広い範囲に生えてきました。また、眉毛も両側で生えてきました。さらに、治療効果を高めるために、IGF-1を増やす胆汁酸であるウルソを併用すると、1ヵ月後には、頭部の白い産毛も増えましたが、これまで産毛が生えていなかった、おでこの上に白い産毛が生えてきました(写真、赤い円内)。そして、眉毛も、黒く太い毛が生えてきました。ウルソは、自己免疫性肝炎を抑制するので、IGF-1を増やして、自己免疫疾患である円形脱毛症をも改善させるようです。併用効果のある薬です。