2022-01-31
東京都在住の40代の女性患者様は、自己抗体(抗核抗体)陽性で、30年前の就活時に円形脱毛症を発症しました。それ以来、ずっとウイッグをかぶっていました。東京都内では、円形脱毛症を治せる医療機関が見つけられなかったので、当クリニックを受診されました。境界鮮明な脱毛斑は認められないものの、頭頂部から前頭部にかけて、びまん性の薄毛がありました(写真、治療前)。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると、改善しはじめ、途中で、おそらく毛の生え変わりで、1ヵ所のみ、小さな脱毛斑ができましたが、すぐに改善しました。そして、治療11ヵ月後には、頭頂部の薄毛部分も改善し(写真、治療11ヵ月後、赤い円内)、それよりも髪の毛全体の質が良くなり、別人の頭部の外見のようになりました(写真)。円形脱毛症では、最も毛根が傷んだ部分では、脱毛しますが、頭皮全体の、抜けていない毛の毛根にも影響が出ます。この女性患者様は、年齢から、女性ホルモンの生成も低下していると考えられ、女性型脱毛症も合併していると思われます。女性型脱毛症に効果のあるカプサイシン、イソフラボン、そしてタキシフォリンも服用されているので、これに大量のセファランチンによる、これらのサプリメントの効果の底上げも加わって、自己免疫も抑制されての改善効果と思われます。この患者様も、ウイッグをとる時期を考え始めています。もうウイッグを卒業しても良いと思われます。IGF-1を増やす治療の土台は、カプサイシンとイソフラボンです。特に、カプサイシンが最も重要です。一番飲みにくいサプリメントですが、カプサイシンなしでは、どの脱毛症も改善しません。飲み忘れがないようにしましょう。