2022-01-14
50代の男性患者様は、お父様に円形脱毛症の既往があり、ご自身は、整形外科で出された痛み止めの飲み薬と湿布で、円形脱毛症を発症しました。当クリニックに来院され、カプサイシンとイソフラボン、そして1日80mg(80錠)のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療6ヵ月後には、外見上は、明らかな改善が見られました(写真)。ところが、自己判断で治療を中断して、半年後に再発しました(写真、再発時)。今度は、サプリメントと1日150mg(150錠)のセファランチンで、治療を再開しました。しかし、治療3ヵ月後でも、改善が見られませんでした(写真)。サプリメントやセファランチンの飲み忘れもなく、改善しない理由がわかりませんでした。しかし、理由は単純でした。セファランチンを増量したことが伝わっておらず、以前と同じく、1日80mg(80錠)しか飲んでいなかったのでした。これでは、再発後の改善は期待できません。この症例の経過を通して言えることは、いくら外見上は治ったように見えても、サプリメントに加えて、セファランチンが1日80mg(80錠)では、完治には至らないこと、そして、再発後は、さらにセファランチンは、1日150mg(150錠)必要であるということです。現在の皮膚科治療では、すなわち保険診療では、セファランチンは、1日2mg(2錠)しか投与が認められていません。微量のセファランチンで、しかもカプサイシンとイソフラボンなしの皮膚科治療で円形脱毛症が治らないのが良くわかります。そして、時には、脱毛する抗ヒスタミン剤が出されます。これでは、悪化しこそすれ、永遠に治癒は期待できません。