
2021-12-18
50代の男性患者様は、円形脱毛症の家族歴はありませんでしたが、脱毛作用の強い痛み止めであるボルタレンを腰に1日3回、3日間塗り続け、さらに、脱毛成分入りの酔い止めアネロンを服用して、円形脱毛症を発症しました。皮膚科に2ヵ月間通いましたが治らず、当クリニックに来院されました。来院時、後頭部に大きな脱毛斑あがり、頭頂部の薄毛(男性型脱毛症、AGA)もありました(写真、治療前)。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチン、そしてAGA治療薬であるアボルブを併用して、IGF-1を増やす治療を開始しました。AGAがある場合は、これも治療しないと円形脱毛症も治りにくくなります。円形脱毛症の改善の程度は個人差がありますが、AGAは単純なメカニズムで起こってきますので、誰でも治療すればするだけ良くなります。この患者様も、治療1年10ヵ月後には、脱毛斑もわからないくらいに改善し、AGAも明らかな改善が見られました(写真)。治療1年5ヵ月後から、梅花鍼を併用しましたが、ご自身で鍼の併用から改善が早くなったことを実感しており、治療1年10ヵ月後にこのように言われました。梅花鍼は、物理的な知覚神経刺激でIGF-1を増やすので、AGAと円形脱毛症の両方に有用です。鍼灸院で行う鍼治療も、同じメカニズムで全身のIGF-1を増やすので、効果が出るのです。鍼治療を受けたことのある患者さんに聞くと、鍼灸院の治療中も、薬は飲んではいけないと言われるそうです。すべての薬ではなく、痛み止めやかゆみ止めなどの薬が飲めないのですが、鍼灸師の方たちは、まだ、IGF-1理論を知らないのでしょう、すべての薬を飲むなと言われるそうです。これは、困りますね。何かのきっかけで、知覚神経刺激でIGF-1が増えることを知ってほしいものです。