2021-10-08
愛知県外在住の50代の女性患者様は、3年前から薄毛が気になり始めて、その治療に来院されました。外見からは、毛が細くなり、艶やこしがなく、女性型脱毛症でした。既往歴をお聞きすると、過去に2回、全身の脱毛を経験され、皮膚科に行くと、”精神的に弱い顔をしているから、精神が弱く、それが原因だ!”などという、バカげた診断をされて、ご自身で治そうと決意されました。それから、大阪市の医師の指導の下、断食療法に挑戦され、2年間で脱毛症を治したそうです。また、同時に潰瘍性大腸炎も改善し、橋本病はまだ治療中とのことですが、データを見ると、治療の必要はないようです。脱毛症が治ったということは、体の中でIGF-1が増えたということですが、なぜ、断食でIGF-1が増えるのでしょうか?断食に伴う飢餓状態では、炭水化物の摂取がなくなりますから、糖質不足になった肝臓の細胞は、脂肪を分解してエネルギーを得ようとします。その結果、ケトン体という物質ができてきます。コントロールされていない糖尿病でも、インスリンの作用不足で、肝臓の細胞への糖の取り込みがなくなり、やはり、同じメカニズムでケトン体ができてきます。ケトン体は、知覚神経の働きを良くするので、IGF-1が増えて、断食をしている人の健康状態を維持し、また、髪の毛も増やします。糖尿病の患者さんでは、ケトン体ができることで、糖代謝が改善されるのです。また、空腹では、胃でグレリンというホルモンが作られます。グレリンは、何か食べろという摂食行動を起こすのですが、これも知覚神経の働きを良くして、IGF-1を増やします。IGF-1が増えると、血糖も下がるので、空腹感が出てきます。IGF-1は、記憶や認知機能の中枢である海馬の働きを良くするので、断食は認知症の予防や治療にも応用できます。簡便な断食は、12時間の絶食状態を作ればよいので、1日2食で実行できるでしょう。また、ケトン体は、中鎖脂肪酸(MCTオイル)から出来てくるので、このオイルを食べることでも、断食効果が得られるでしょう。12時間の絶食では、オートファジーも起こるので、組織のリフレッシュにもなります。しかし、この患者様は、当時、脱毛する薬の知識がなかったと思われますので、痛み止めやかゆみ止めを飲まなかったことも治癒につながったと思われます。薄毛になったら、皮膚科に行くよりも、スーパーマーケットに直行して、唐辛子と大豆製品、そしてMCTオイルを買い求め、1日2食にし、変な薬は飲まないようにすれば、ある程度の改善は見られるでしょう。