2021-08-25
関西地方に在住の40代の女性患者様は、35年前に円形脱毛症を発症しました。はじめは1ヵ所で、自然に治ったり、悪くなったりしていたので、皮膚科には行かず放置していました(正解!!)。ところが、当クリニックに来院される2ヵ月前に、頭痛でロキソニンを1日1錠、3日間飲んで、脱毛斑が著明に増えました。さすがに、あわてて、円形脱毛症が治療できる医療機関を探しました。関西地方では、円形脱毛症を治せる医療機関を見つけられずに、当クリニックに来院されました。よく話を聞くと、花王の脱毛成分入りのスマイルホワイティエという目薬も使っていたそうです。髪の毛は、少なく、細く、艶がなく、伸びない状態で、多くの脱毛斑がありました(写真)。ロキソニン、またはロキソニンテープで脱毛した症例は、当クリニックでは、これで46例目です。数としては、ダントツ1位です。脱毛のひどさは、モンテルカストやオロパタジンには及ばないものの、多くの人たちが、気軽にロキソニンを飲んでいるためでしょう。また、メディアもお医者さんも、対症療法の怖さを知らないので、その危険性をアピールしません。やっと、新型コロナ感染症で、アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛剤が、病態を悪化させることがわかって、安全なアセトアミノフェン製剤が、多くの症例で使われ始めました。この安全な薬の解熱鎮痛作用が弱いのは、逆に、解熱鎮痛作用が強い他の薬(例えば、ボルタレンなど)が、体には悪いことを示しています。整形外科では、このような強い解熱鎮痛剤が使われますが、実は、このような薬で、骨折などの治りが悪くなっています。アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛剤は、育毛効果や免疫調整効果のほかに、骨の再生効果をもつIGF-1を減らすので、このような副作用がでるのです。日本で、がんの患者さんが増えているのは、以前よりも簡単に、ドラッグストアで危険な解熱鎮痛剤が手に入るようになったことと、決して無縁ではないでしょう。自分の髪の毛と体は、自分で守るしかないようです。