2021-04-26
60代の女性患者様は、脱毛する薬;胃薬タケキャブ、片頭痛治療薬ゾルミトリプタン、ロキソプロフェンテープ、さらに最恐オロパタジンの服用で、とどめを刺され、円形脱毛症を発症しました。大きな脱毛斑がいくつもある、多発型円形脱毛症でした(写真、治療前)。家族歴もなく、これらの脱毛薬軍団による円形脱毛症の発症です。美容院で、皮膚科に行っても無駄と言われて、当クリニックに来院されました。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチン(80mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始して1ヵ月で、脱毛部分に産毛が生えてきました(写真)。もともと、家族歴もなく産毛も生えていたので、治療1ヵ月では、もっと産毛が生えると思われたのですが、意外に産毛が少なかったので、治療2ヵ月後からは、セファランチン150mg/日に増量するとお話すると、1日20mgから、150mgに増量ですかといわれたので、驚いて、最初の1ヵ月は、1日80mgですとお答えすると、間違って、1日20mgしか飲んでいなかったそうです。しかし、産毛は生えてきて、爪もきれいになり、便秘と片頭痛はなくなりました。IGF-1を増やす治療の基本はカプサイシンやイソフラボンなどのサプリメントで、タキシフォリンやセファランチンは、それらのサプリメントの作用を高め、そして、後日併用する可能性のあるαGPCは、これらのサプリメントやセファランチンの作用を、違う機序で促進する役割をもっています。漢方治療では、薬を君臣佐使と4つのグループに分けています。IGF-1を増やす治療における治療薬で考えてみると、治療効果の本態で、もっとも重要なものが君薬(カプサイシン)、そして、これを直接支えるものが臣薬(イソフラボン、つまりスーパーセレクト)、君薬を後方支援するものが佐薬(セファランチン、タキシフォリン、そしてチャガ)、さらに君臣佐薬を、側方支援するものが使薬(αGPC)となります。君臣薬は飲めていたので、産毛は生えてきますが、佐薬であるセファランチンを十分飲めていれば、もっと高い効果が出ていたでしょう。よく、セファランチンが薬なので、サプリメントよりも効果が高いと考える患者さんが多いのですが、間違いです。上述の、君臣佐使の順に重要ですが、もっとも飲みにくいカプサイシンが君薬であることを忘れないようにして下さい。