2021-01-06
50代の女性患者様は、来院する2ヵ月前に、円形脱毛症を再発しました。お母様に円形脱毛症の既往があり、整形外科からもらったケトプロフェンテープという、脱毛成分(痛み止め)入りの湿布を貼っての再発でした。総合病院の皮膚科で、ステロイドパルス治療を受け、また、脱毛するフェキソフェナジンやらタリオンやらを出されて、どんどん悪化して、困り果てて、当クリニックに来院されました。大小の脱毛斑が10個ほどもある、多発型円形脱毛症でした(写真、治療前)。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン150mgで、IGF-1を増やす治療を開始すると、皮膚科治療で傷んだ毛の産毛への生え変わりを経て、改善し、治療1年1ヵ月で治癒し(写真)、その後治療を中止しても、再発なく、完治しました。あれだけ多くの脱毛斑があって、その数が増えていくのを見ていると、とても鬱陶しい気分だったでしょう。当クリニックにも、円形脱毛症の患者さんから、治療の問い合わせがありますが、それまでに受けた皮膚科での治療に対する不信から、”円形脱毛症は治るのか”、また、”もう、これ以上、円形脱毛を増やしたくない”などといった切実な悩みを打ち明けられます。来院され、IGF-1を増やす治療で改善してくると、途方に暮れた状態から、一転して、”いつ完治するのか?”、”もう、治ったのではないか”などと、来院時とは打って変って、うれしい悩みを訴えられます。再発を避けるために、治癒の判定と治療中止の判断は、慎重に行います。