2021-01-05
40代の女性患者様は、出産を契機に、円形脱毛症を再発しました。皮膚科治療が無効で、とうとう、全頭脱毛にまで、悪化しました。困り果てて、当クリニックに来院されましたが、この患者様は、全頭脱毛に加えて、やはり、皮膚科治療が無効な、尋常性乾癬という病気も、もっていました。来院時、頭皮は、発赤し、顔には、発赤し、腫れて、かさぶたを伴う発疹がありました(写真)。カプサイシンなどのサプリメントとセファランチン40mgで、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療5ヵ月後には、産毛が生えてきて(写真、赤い円内)、頭皮の発赤と右耳周辺の炎症所見も改善してきました(写真)。”正常な皮膚が、出てきた感じがします”と言われていました。尋常性乾癬も、その成因に、自己免疫が関与していると考えられており、自己免疫を是正するIGF-1が増えたことで、改善したと考えられます。尋常性乾癬は、生理前に悪化すると言われており、この時期には、IGF-1が低下するので、IGF-1を増やす治療で、尋常性乾癬も改善したと思われます。難病である、2つの病気が改善したことになりますが、皮膚科治療では、ステロイドや免疫抑制剤で、ゴールの見えない治療を続けられるところでした。