2020-06-01
10代の男性患者様は、部活のストレスで、当クリニックに来院される1年4ヵ月前に円形脱毛症を発症しました。伯母様に、円形脱毛症の既往がありました。さらに、脱毛する抗アレルギー剤である、デザレックス服用で悪化しました。某私立医大の皮膚科で、標準的と銘打った治療を受けましたが、ダメでした。困り果てて、当クリニックを探して来院されました。広い範囲に円形脱毛症が見られる、多発型円形脱毛症の状態でした(写真、治療前)。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、18日後には、もう、産毛が生えてきました(写真)。ご本人も、お母様も、驚かれていました。現在、診療ガイドラインというものが、多くの疾患で存在し、多くの医師は、それらに沿った治療を標準的治療と呼んで、行っています。標準的というのは、8割くらいの患者さんが治るから、標準的という意味では、ありません。ただ、多くの施設で、同じようにやっているという意味での、標準的なのです。治る、治らないは、関係ありません。みんなでやるから、結果が出なくても、仕方ないし、言い訳になるから、行われているという側面もあるのでしょう。標準的治療、効果がありそうな治療に見えるだけですので、要注意です。