2017-04-12
これまで、かゆみどめ(抗ヒスタミン剤)が入ったアイボンや他の点眼薬を使用して、脱毛することを紹介しました。さらに、抗ヒスタミン剤以外の成分が入った点眼薬でも脱毛します。写真は、全頭脱毛症の65歳女性の患者様の頭部です。IGF-Iを増やす治療を行っている時に、急に脱毛したので(写真)、何か新しい薬の服用の有無を尋ねたところ、緑内障の治療のための点眼薬を使用したと話されました。この点眼薬の名前は、エイゾプトです。この薬について、調べると、これは炭酸脱水酵素を阻害する作用がありました。知覚神経を刺激するとIGF-Iが増えます。知覚神経は、痛みや熱さの他にも、組織の炭酸ガス(二酸化炭素)の濃度を察知するセンサーの役割をも持っています。組織の血流がわるくなると、組織への酸素の供給が悪くなり、二酸化炭素が蓄積してきます。このような状態になると、知覚神経は、血流を増やすことで、酸素の供給を増やし、また、組織の二酸化炭素を除去しようとするシステム
を発動させるのです。この働きに重要なのが、知覚神経にある炭酸脱水酵素という酵素です。この酵素は、二酸化炭素を炭酸に変えますが、できた炭酸が知覚神経周辺を酸性にします。知覚神経は、酸性環境で刺激されやすくなり、IGF-Iが増えます。口の中に傷があると、酸っぱいものを食べたらしみることからも、知覚神経が酸性になると刺激されることがわかります。エイゾプトは、この酵素の働きを抑えて、IGF-Iを減少させ、脱毛を引き起こします。この薬の添付文書には、すでに脱毛の副作用が明記されています。脱毛症の患者さんや、脱毛したくない方は、この点眼薬を使用しないで下さい。