2026-02-24
50代の女性患者さんは、大きな精神的ストレスの後に、円形脱毛症を発症し、皮膚科を受診しましたが、効果なく、鍼灸眞にも通いましたが、無効でした(図)。困り果てて、当クリニックに来院されました。すでに、全身の毛が抜けた汎発性脱毛の状態でした。IGF-1を増やす治療を開始しましたが、治療前は、体温が35℃台、治療開始して、36℃台前半まで上がりましたが、正常体温(36.6℃以上)までには上がりませんでした。そして、ゆっくりと、白髪から生えてきました。ところが、急に黒い毛が、大量に生えてきて、治療2年7ヵ月後まで、明らかな改善が見られました(写真)。患者さんに、何か変わったことがありましたかと、お尋ねすると、急性気管支炎で38℃台まで発熱したとのことでした。当然、IGF-1を下げる、すなわち、脱毛させる解熱鎮痛剤は飲まずにいました。体温が上がると、知覚神経は刺激されやすくなります。しかも、ウイルス感染で、白血球が、生体防御のための炎症を引き起こす物質を放出すし、それらの物質が知覚神経を刺激します。インフルエンザなどの感染初期に、皮膚が知覚過敏になったり、体の節々が痛くなるのは、このためです。そこに、発熱が加わるので、知覚神経は強く刺激され、IGF-1は増えて、免疫力が高まります。この反応が、生体の治癒力の発動です。この患者さんは、感染によって、治癒力が高まり(IGF-1が増えて)、脱毛症が、急速に改善したと考えられます。他の30代の汎発性脱毛の女性患者さんも、インフルエンザに罹患して、14日後に、著明改善しました(2022年7月30日のお知らせ参照)。しかし、多くのお医者さんは、高熱・痛みとなると、カロナール以外に、強い解熱鎮痛剤であるロキソニンなどを処方し、せっかく高まっていた治癒力を押し殺してしまうのです。このような場合、熱が下がったから、病気が良くなったのではなく、免疫力が低下するので、実は、感染は長引いてしまいます。熱が出ても、カロナールを服用し、水分を十分に補給すれば、体の治癒力は、十分に発揮され、感染症のみならず、同じに抱えていた病気も改善します。昔、発熱療法と言って、がんなどの難病の患者さんに、マラリアを感染させるという治療法もあったようです。この治療法は、前時代的ですが、風邪も、うまく対処すれば、体の治癒力のバージョンアップになります。勿論、感染しなくても、体を温めることは、IGF-1を増やして、治癒力を高めます。