2025-11-12
IGF-1は、円形脱毛症などの自己免疫を抑制する制御性T細胞を活性化するので、自己免疫疾患を改善させますが、同時に、感染症やがん治療に重要な細胞傷害性T細胞やナチュラルキラー細胞なども活性化するので、感染症やがんの病態も改善します。すなわち正常な免疫のみを活性化し、異常な免疫を抑制するので、IGF-1を増やす治療は、免疫療法と呼べます。これに対して、がん細胞への攻撃のブレーキでとなるT細胞のPD-1分子に対する抗体医薬がオプジーボという薬で、がん治療に用いられます。一般に、オプジーボによる治療が、がんの免疫療法と呼ばれるのですが、これは正しい呼称でしょうか?オプジーボは、投与患者の70~80%には、効果はありません。しかも、T細胞を活性化し、暴走させるので、正常細胞までも傷つけて、現代の医学では治せない自己免疫疾患を引き起こします。運よく、オプジーボ投与で、がんが縮小しても、また、難病を抱えるのでは、患者さんの生活の質は良好に維持されるのでしょうか?オプジーボ治療は、治療効果が、少数にしか現れないうえに、表れても、一難去って、また一難ということになります。これに対して、IGF-1を増やす治療では、T細胞も活性化しますが、同時に、その活性化T細胞をコントロールする制御性T細胞も活性化するので、オプジーボ治療に見られる免疫の暴走がおこりません(図)。IGF-1を増やす治療では、効果は、ゆっくりと、自身の治癒力を上げるように表れてきますが、副作用は全くありません、これが免疫療法でしょう。これから、がん患者さんへの応用が期待されます。