2025-08-18
40代の男性患者さんは、中学生の時に、円形脱毛症を発症しました。円形脱毛症の家族歴がありました。そして、アトピー性皮膚炎もあり、皮膚科を受診すると、脱毛するオロパタジンとステロイドを、長期に投与されました。円形脱毛症は、悪化し、ほぼ全頭脱毛となりました。当クリニックを知られて、IGF-1を増やす治療を始めました。2ヵ月後くらいから、体が温まり、便秘が治ったそうです。オロパタジンで傷んだ毛が、治療に伴う毛の生え変わりで、抜けました。また、ステロイドで抑え込んでいたアトピー性皮膚炎(治療開始時)も、知覚神経を刺激する治療で、一過性に発赤やかゆみが強くなりました(治療8ヵ月後)。そして、治療10ヵ月後には、皮膚の炎症も改善し、産毛も増えてきました。このような、改善の前に、一過性に症状(脱毛や皮膚の炎症)が悪化する現象は、漢方治療では、好転反応と呼ばれます。知覚神経を刺激して、IGF-1が増えると、ヘアーサイクルが活発に回り始め、傷んだ毛が抜けて、産毛が生えてきます。また、IGF-1は、知覚神経を刺激し、血管を拡張するので、かゆみや発赤は強くなりますが、同時にアレルギー反応は抑制されて、アトピー性皮膚炎による皮膚の炎症は治まってきます。いずれも、IGF-1が増えることによっておこる現象です。ステロイドは、皮膚の炎症によるかゆみや発赤を抑えるだけで、アトピーの根本的なアレルギー反応は抑えません。だから、ステロイドを中止すると、また、アトピー性皮膚炎は悪化するのです。ステロイドによる病気を体に閉じ込める治療とIGF-1を増やし、病気を体外に解放し、一過性に症状は悪化するが、根治へ向かう治療、どちらが良いでしょうか?