2025-04-08
40代の男性患者さんは、脱毛症の治療ではなく、新型コロナ感染の後遺症である慢性疲労症候群に対して、IGF-1を増やす治療を受けられていました。カプサイシン、イソフラボン、そして大量のセファランチン、さらにカカオポリフェノールをも摂取されて、全身倦怠感や睡眠も改善傾向にありました。ところが、花粉症の季節で、就寝後の鼻づまりで、呼吸が苦しく、良くないこととは知りながら、抗ヒスタミン剤であるレボセチリジン(サワイ)を就寝前に1錠服用し始めました。その結果、眠りは浅くなり、朝の起き抜けのだるさなどが起こってきました。すぐに、レボセチリジンを中止してもらい、脱毛しないアレルギー性鼻炎の治療薬であるオノンを服用してもらいました。慢性疲労症候群も、副交感神経のアセチルコリン受容体に対する自己抗体によっておこる自己免疫疾患で、IGF-1が低下して起こってきます。軽度の脱毛や白髪の増加も見られます。脱毛する痒み止めである抗ヒスタミン剤は、円形脱毛症を悪化させるだけでなく、その他の自己免疫疾患も悪化させます。例えば、1型糖尿病や重症筋無力症などが悪化すれば、生命の危険も出てきます。IGF-1を下げる薬で、円形脱毛症が悪化することを、副作用報告として製薬会社に報告すると、担当者は、なぜ、脱毛が重篤な副作用になるのですかと聞いてきますが、IGF-1を低下させる薬は、すべての自己免疫疾患を悪化させるので、重篤な副作用となるのです。早くわかってくれ!