2025-03-31
8歳の女性患者さんは、円形脱毛症を発症し、皮膚科治療が無効、そして、某公立大学病院でかぶれ治療を受け、部分的に毛が生えてきました。耳鼻科で、花粉症の薬としてオロパタジンを処方されたところ、1ヵ月後に、全身の毛が抜ける汎発性脱毛になりました。困り果てて、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を開始しました。かぶれ治療は、皮膚科が行う円形脱毛症治療の中で、唯一、IGF-1育毛理論と同じく、頭皮の知覚神経刺激によるIGF-1増加効果をもっています。しかし、この治療、頭皮が、かぶれ薬に慣れて、かぶれを起こさなくなることが多く、チョロチョロ生えた毛も、結局は抜けてしまい、治癒させるだけの効果はありません。しかし、この患者さんは、せっかく産毛が生えて改善してきたものの、恐怖の脱毛薬オロパタジンで、頭髪を始め、眉毛、まつ毛、そして体毛も失いました。何気なく、処方された花粉症薬で、不治の病気という、大きな苦しみを背負うなど、残念でならないでしょう。ドラッグストアで売っている花粉症のクスリも、基本的に同様の結果を招きます。この季節、注意が必要です。患者さんには、脱毛薬リストをお渡ししていますが、脱毛する薬かどうか不明な場合は、薬を使用する前に、当クリニックまでお問い合わせ下さい。