2025-01-08
40代の男性は、過去に2回の新型コロナ感染を経て、下痢便秘の便通異常、頭痛、そして、寝つきがわるく寝起きもだるくなし、まさに、新型コロナ感染後遺症である慢性疲労症候群を呈していました。医療機関を受診すると、上部と下部の消化管の内視鏡検査で異常が無く、過敏性結腸症候群と診断され、あろうことか胃酸分泌を抑制するタケプロン、抗ヒスタミン剤であるスルピリド、また、アセチルコリンの作用を抑制するトリぺブチン(すべて、IGF-1を減らす薬)を処方されました。めまいには、メニエル症候群と診断され、泌尿器科では、男性更年期と診断され、男性ホルモンを投与すると言われていたそうです。すべて、苦し紛れの診断名で、新型コロナ感染後遺症に対する治療法がわからないために、しょうもない対症療法薬が出されていました。しかも、IGF-1を減らす薬が多く出されていました。これでは、良くなるどころか、悪化する一方です。慢性疲労症候群は、自己免疫疾患なので、IGF-1を増やす治療で改善するはずです。当クリニックで、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療1ヵ月後には、体調が急に改善し、治療前にあった白髪や頭頂部の薄毛が改善しています(写真)。治療2か月後には、睡眠不足があり、体調が悪化しましたが、白髪が増えて、薄毛も目立ってきました(写真)。治療3ヵ月後には、再び、体調が良くなり、白髪も減り、薄毛も改善しています(写真)。このように、体調と髪の毛の状態は良く相関し、古来、髪の毛が”血余”と言われる所以がよくわかります。慢性疲労症候群の症状は、アセチルコリン受容体に対する自己抗体により起こる、自律神経失調で、副交感神経の機能不全です。知覚神経刺激は、副交感神経の働きを良くして、IGF-1を増やすので、後遺症を改善します。しかし、その辺りの医療機関の治療の無力さとでたらめさは、この患者さんの経過を見るとよくわかります。現在の新型コロナ感染の後遺症外来の治療では、絶対に治りません。