2024-10-19
50代の男性患者さんは、当クリニックに来院される10年前に円形脱毛症を発症しました。皮膚科や、街中のAGAクリニックに3年通院しましたが、改善せず、当クリニックに来院されました。IGF-1を増やす治療を開始すると、改善は見られるものの、効果は安定しませんでした。そして、治療を開始して、9年8ヵ月後から、長期の出張に出られて、その4ヵ月後に来院されると、それまでに十分な改善が得られなかった円形脱毛症が、明らかに改善していました(写真、睡眠時間改善4ヵ月後)。長期出張中の生活環境の変化を聞くと、それまでの睡眠時間よりも、2時間長く眠ったとのことでした。十分な睡眠は、自律神経のバランスを副交感神経優位にするので、IGF-1が増えやすくなります。IGF-1を増やす治療では、痛み止めやかゆみ止めなどの脱毛する薬は、副交感神経の働きを悪くする薬で、このような薬を飲んでいると、治療効果は出ません。睡眠不足も、脱毛する薬と同じく、交感神経を緊張させて、副交感神経の働きを抑制し、IGF-1を低下させます。この患者さんは、これから、これまでの夜更かしを止めて、長期出張中の生活を続けると言われていました。病気が治る時、治るのは患者さんで、薬が治すのではありません。薬は、患者さんが治ることを助けるだけです。患者さん自身が、治癒力を高める生活(自律神経を安定させる生活)を送ることが治癒への最優先事項です。