2024-10-12
健康診断で、コレステロールの値が高いと、担当医師はすぐに、スタチンという、コレステロール生成する酵素の阻害剤を使うと言います。これまでに、血栓症を起こしたことがある人は、スタチンを使用する意味は大きいのですが、血栓症の既往がなくて、ただ健診での数値だけが高い人では、薬の副作用などを考えると、あまり使用する意義は大きくありません。スタチンは、すぐに脱毛させる薬ではありませんが、強力な阻害作用を持つ薬ほど、糖尿病の発症や横紋筋融解という副作用を起こします。後者は、まれですが、糖尿病は、血糖値が高くなると、知覚神経が鈍感になり、IGF-1が増えにくくなります。当クリニックの院長の研究で、スタチンの中でも、メバロチンという薬は、知覚神経を刺激して、IGF-1を増やします。事実、他の強力なスタチンと違い、メバロチンは、糖尿病を起こしませんし、むしろ、インスリン感受性を高めることが報告されています。また、高脂血症を呈したがん患者さんの予後を改善することも報告されており、メバロチンは、IGF-1を増やすことで、糖代謝を改善し、また、免疫力を上げるので、がんの患者さんの予後も改善するのでしょう。脱毛症患者さんで、どうしてもスタチンを使用する必要性があれば、メバロチンを使用して下さい。