2024-10-01
2型糖尿病の治療薬であるGLP-1受容体作動薬は、やせ薬としても利用されることがあり、この薬を、自費で処方するクリニックも登場しています。GLP-1は、食後に、小腸で作られるホルモンですが、作られて、小腸に放出されてもすぐに分解されてしまいます(だから、注射薬が開発されている)。しかし、GLP-1は、糖代謝を改善したり、食欲を抑えたりします。このように、吸収されないのに、生物効果を発揮する場合、その物質が、小腸の粘膜の表面の知覚神経を刺激して、IGF-1を増やすことが多いのです。赤ワインポリフェノールのレスベラトロール、免疫力を上げるβーグルカン、そして自律神経失調の治療薬であるγーオリザノールなどが、治療効果を持ちながら、体の中に入らず、胃腸で知覚神経を刺激してIGF-1を増やします。GLP-1受容体は、知覚神経にも存在するので、内服ができるGLP-1受容体作動薬リベルサスは、胃腸の知覚神経を刺激して、体のIGF-1を増やして、効果を発現する可能性が高いと思われます。この薬が、胃腸の知覚神経を刺激すると、食欲が落ちるので、肥満症の改善にもなりますし、IGF-1増加によって、糖尿病も改善します。また、最近の報告では、GLP-1受容体作動薬は、色々な種類のがんのリスクも下げ、虚血性心疾患や認知症も改善することも報告されており、まさに、これらの効果は、IGF-1の心機能と心臓の血流改善効果、認知機能改善効果、および、免疫力増強効果によってもたらされていると思われます。このように、IGF-1を増やすならば、脱毛症の治療にも応用できそうです。副作用もないので、試される可能性はあると思います。