2024-07-31
関東地方在住の60代男性が、眼底検査のために、毎月ミドリンPを点眼し、20回を過ぎたころに円形脱毛症を発症しました。なぜでしょう?瞳孔は、副交感刺激で、瞳孔括約筋が収縮し縮瞳し、交感神経刺激で、瞳孔散大筋が収縮し散瞳します(図)。したがって、散瞳を強く起こすためには、交感神経を刺激し、副交感神経を抑制する必要があります。ミドリンPに含まれるフェニレフリンは、交感神経を刺激し、また、トロピカミドは、副交感神経を抑制します。知覚神経刺激は、副交感神経の刺激となり、IGF-1は増加します。したがって、ミドリンPの点眼は、交感神経の働きを促進し、副交感神経の働きを阻害するので、IGF-1を低下させ、脱毛させるのです(図)。円形脱毛症を発症している人や、過去に起こしたことがある人は、不要不急の眼底検査は避けましょう。