2024-07-24
60代の女性患者さんは、脱毛する降圧剤であるニフェジピンを飲んでいる時に、家庭内ストレスがあって、円形脱毛症を再発しました。近所の皮膚科の治療で無効、東京医大を紹介されて、かぶれ治療を受けましたが、こわくなり途中で中止。この頃には、全身の毛が抜ける汎発性脱毛にまで悪化していました。困り果てて、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を開始して、45日後に、白い産毛が生えてきたような気がすると言われて、これがお薬の効果だったらとてもうれしいですと言われました。送って頂いた写真で、確認すると、確かに後頭部左側で、白い産毛が生えている所見がありました(写真、赤い円内)。全身の毛を抜けさせた、頻繁に使用される降圧剤、そして全く効果がない皮膚科治療、もう絶望していたところでの産毛で、さぞうれしかったことと思われます。降圧剤も、脱毛しない、むしろIGF-1を増やすアゼルニジピンに変更してもらいました。脱毛する降圧剤を使い続けて、皮膚科に通っていたら、取り返しのつかないことになったでしょう。