2024-05-17
50代の男性患者さんは、仕事の多忙と新型コロナワクチン接種で、円形脱毛症を再発しました。おまけに、脱毛する睡眠導入剤であるベンゾジアゼピン類の薬を心療内科から処方され、重症の多発型円形脱毛症を発症しました。皮膚科治療では治らず、遠路当クリニックに来院されました。来院時は、大きな脱毛斑がいくつもある状態でした(写真、治療前)。IGF-1 を増やす治療で、すぐに産毛が生えてきて、長年悩んでいた片頭痛も改善しました。そして、治療4ヵ月後には、円形脱毛症も明らかに改善しましたが(写真)、患者さん自身が、さらに驚かれたのは、顔の右側にあったしみ(写真、青い円内)が、明らかに薄くなったことでした(写真、赤い円内)。IGF-1 は、自己免疫や血管の縮みを抑えることで、円形脱毛症と片頭痛を改善します。そして、皮膚の細胞の置き換わりを早くすることで、しみや色素沈着を改善します。重症の円形脱毛症を起こす背景には、老化防止作用のあるIGF-1 が低下する状況があり、この時に、脱毛以外にも、年齢以上に肌も老化してまいます。これらの変化が、カプサイシンやイソフラボン、そしセファランチンなどで、IGF-1 が増え、改善されます。逆に考えれば、IGF-1 を減らす、皮膚科で出される抗ヒスタミン剤は、脱毛以外にも、老化を促進することになります。皮膚科治療は、怖いです。