2023-11-21
20代の男性患者さんは、母方の祖父の方が薄毛で、男性型脱毛症(AGA)の体質をもっていました。当クリニックを受診する6年前から薄毛が悪化し、その辺りのAGAクリニックに2年間通いました。そこでは、AGA治療薬であるデュタステリドと、ミノキシジル、そして亜鉛やビタミンなどのありふれたサプリメントで治療されたそうです。しかし、おでこ生え際の薄毛は悪化するばかりで、困り果てて、当クリニックを受診されました。顔には、ミノキシジル服用の副作用であるムダ毛が大量に生え(写真、青い円内)、額の生え際は後退していました(写真、青い円内)。そもそもデュタステリドは、男性ホルモンに由来する脱毛物質であるDHTができるのを抑えます。DHTは、育毛のブレーキになるので、この薬は、育毛のブレーキを解除するだけの作用しかありません。ミノキシジルは、本来降圧剤として使用されていた時に、たまたまムダ毛が増えることが見つかったものです。この薬は、全身の血管を開いて、心臓の血流を減少させるので、時に心筋梗塞などを起こすこともあります。また、ムダ毛のみ増やして、頭髪は増やさないという困った代物です。これらの薬の他は、しょうもないサプリメント。これらでは、治るどころか、悪化することも多いでしょう。IGF-1は、育毛作用を持っているので、育毛のアクセルです。ミノキシジルなどは無視して、デュタステリドで育毛のブレーキを解除して、カプサイシンとイソフラボンで、IGF-1を増やして、育毛のアクセルを踏むという組み合わせがベストです。この患者さんも、この治療を選択されました。ミノキシジル、捨てましょう!