2023-10-02
8歳の男子患者さんは、自己免疫疾患の家族歴はないものの、ご自身は検査で自己抗体が陽性でした。円形脱毛症を発症しましたが、2回も自然治癒しましたが、その直後に、通っていた私立医大の皮膚科から、脱毛するオロパタジンを処方され、全身の毛が抜け、汎発性脱毛になりました。困り果てて、当クリニックに来院され、IGF-1を増やす治療を開始すると、すぐに産毛が生えてきて、治療2か月後には、写真のように明らかな改善が見られました。この時に、お母様が、このように言われました。このお母様は、ウイッグを付けるような、一瞬にして毛が生えるような治療効果を期待していたのでしょうか?この患者さんは、汎発性脱毛で、治療されている患者さんの中でも、高い改善を示しています。治療に良く反応する部分と難治な部分とがあり、問題は、難治な部分をいかに改善させるかです。また、汎発性脱毛のような重症の円形脱毛症では、治療途中でも、原因不明の再発が起こることがあります。現在の皮膚科治療では、100%治らない病気です。長い目で見た治療の見守りが重要です。逆に、皮膚科治療では、脱毛薬の投与で、ウイッグを、一瞬にしてとるような脱毛は起こりえます。