2023-09-26
40代の女性患者さんは、長年にわたり、当クリニックで円形脱毛症の治療を受けられており、改善状態が続いていました。8月に、毛が細くなり、頭頂部の地肌が透けてきたので、生活環境の変化をお尋ねすると、それまでは入浴していましたが、7月になって暑くなったので、シャワーだけにしたとのことでした(写真、6月の入浴から、7,8月のシャワーのみの青い円内)。体温も下がってきたので、体を温める入浴をお勧めし、9月は入浴をしていただくと、再び毛が太くなってきました(写真、9月、赤い円内)。入浴による皮膚の知覚神経の温熱刺激が、体温のセンサーである知覚神経の働きを良くするので、体温が上がりやすくなり、IGF-1が増えて、毛が太くなるのです。秋田県の玉川温泉は、強酸性の温泉として有名です。この温泉は、がん患者さんが長期湯治にくることで有名です。この温泉に入浴すると、温熱効果に加えて、強酸性の環境で、知覚神経がさらに刺激されやすくなり、IGF-1も増えやすくなります。その結果、免疫力が高くなって、がんの病態が改善するのでしょう。シャワーのみでは、夏でも体が冷えます。髪のためにも、健康のためにも、毎日、入浴する習慣をつけましょう。