2023-03-07
関西地方在住の50代の女性は、円形脱毛症を再発し、皮膚科治療で治らず、悪化するので、当クリニックを受診されました。多発型円形脱毛症の状態でした(写真)。皮膚科で微量のセファランチンのみで治療を受けていました。そして、肩の痛みがあり、XX医療センターの整形外科を受診しました。担当の女医が、図のような処方をしました。何も考えずに、脱毛する痛み止めロキソプロフェン(ロキソニンと同じ成分)とロキソプロフェンテープを28日分処方しています。これらによる胃潰瘍防止で、レバミピドという胃薬も処方しています。この薬は、当クリニック院長の研究で、IGF-1を増やす作用があり、良い薬です。問題は、強力に胃酸分泌を抑制し、脱毛などの重大な副作用を引き起こすランソプラゾールという薬です。これは、胃潰瘍から出血しているような緊急時に飲み、短期間処方されるべき薬で、長期の服用は、以前お伝えしたように脱毛以外にも、認知機能低下、骨粗鬆症、免疫力低下などを引き起こします。ロキソニンなどによる胃潰瘍防止の目的で、簡単に処方する薬ではありません。薬剤を処方してもらうために行った薬局でも、薬剤師があきれて、こんな強い薬を、普通は、ロキソニンとは出さないと言い、”きっと点数(治療費)を上げたかったのでしょうねー”とまで言ったそうです。そして、違う皮膚科を受診すると、微量のセファランチン(1日2mg)に加えて、円形脱毛症診療ガイドラインで使用が勧められている、脱毛する抗ヒスタミン剤であるビラノアが処方されました。こうなれば、円形脱毛症は悪化の一途です。この患者さんは、家族歴もなく、円形脱毛症の素因もそう強くないため、多発型円形脱毛症で済んでいるのでしょう。もし、円形脱毛症の素因が強ければ、全身の毛が抜けていたでしょう。整形外科のお医者さんは、胃潰瘍やその治療薬のことは知りません。本当に、怖い!これらの脱毛薬が、円形脱毛症を悪化させていたことを患者さんに伝えると、付き添ってこられたご主人が”皮膚科は、治療に行ったのに、金とって脱毛させとる!”と激怒していました。ごもっともな怒りです。