2022-08-20
10代の女性患者さんは、おばあさまに円形脱毛症の既往があり、家庭内のストレスで円形脱毛症を発症しました。皮膚科治療で治らず、当クリニックに来院され、カプサイシンとイソフラボン、大量のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始して改善してきました。しかし、重症の多発型円形脱毛症で、治療3年で、ほぼ大きな脱毛斑はなくなったものの、小さな脱毛斑が、時に発現し、なかなか治癒状態までに至りませんでした。初夏の影響で、小さな脱毛斑ができましたが(写真)、それも改善していくうちに夏休みに入り、夜更かし(2時間遅くなる)と朝の二度寝で、起床時間が2時間遅くなりました。サプリメントとセファランチンの飲み忘れはなかったものの、夜の寝つきが悪くなり、後頭部に小さな脱毛斑が多発しました(写真)。以前からお伝えしているように、睡眠は自律神経のリズムを安定化させるために重要で、睡眠時間の短縮や、朝の二度寝は、自律神経のリズムを乱し、交感神経の過緊張によるIGF-1の低下を引き起こします。学校に通われているお子さんの円形脱毛症の再発は、夏休みが一番多いのです。生活リズムの乱れによるサプリメントとセファランチンの飲み忘れや、この患者さんの場合のような睡眠リズムの変化によります。気を付けましょう!