2022-06-28
20代の女性患者様は、思い当たる原因もなく、また、家族歴なく、円形脱毛症を発症しました。ただ、毎日残業で遅くなるのが日常でした。近所の皮膚科に6ヵ月間通われましたが、何の効果もありませんでした。困り果てて、当クリニックを受診されて、カプサイシンとイソフラボンなどのサプリメントとウルソやセファランチン大量(150mg/日)で、IGF-1を増やす治療を開始すると産毛が生えてきましたが、やはり、残業は続いていたので、途中で小さな再発がありました。診断書を出して、残業を回避してもらい、ウルソや鍼を併用して改善しましたが、一番大きな前頭部左前方の脱毛斑の生え際で、治療7ヵ月後からの1ヵ月間で、急に大量の産毛が生えてきました(写真)。これを見て、患者様は、ワッと驚いて、思わず笑いがでました。急に勢いよく生えてきたことに驚かれているようでした。脱毛症の治療効果は、直線的に高くなるのではなくて、指数関数的に高くなるので、このような急な改善があります。サプリメントやウルソ、セファランチンの飲み忘れ飲み忘れがないという前提での話です。この患者様は、鍼の刺激が大好きで、とても心地良いそうです。頭皮が欲している刺激を与えているわけですから、脱毛部位の鍼刺激は、健常部位の刺激よりも強く感じ、結局、かゆいところに鍼が届くので、心地よいのでしょう。